希望をもって治療を継続している方々にとって、不妊治療の終結を考えることはとても辛いこと。ですが、妊娠希望年齢が高齢化する中、努力しても願い叶わず、子どもをあきらめなくてはならない方々も多くいらっしゃいます。
原利夫院長がこの会を主催される目的は、「当事者の皆さんが 、今のご自身のありのままを受け入れることができるようにすること」。それには皆さんに、”考えて”いただくのではなく、”感じて”いただく時間を提供したいと思われたのが原点だそうです。
この会は毎回「ご自身を信じ受容できれば、そこには必ず答えがある」とおっしゃる原院長のメッセージから始まります。医療技術の進化があるがゆえの患者さんの苦痛も、高齢での治療が可能な状況下で治療を終わりにする決断をすることの残酷さも十分理解されておられるからこその開催。おひとりおひとりのより良い将来を信じ、願う院長のメッセージを、皆さん聞き入っていらっしゃいました。
【プログラム内容】
1)原利夫院長の挨拶
2)体験談の講演
(はらメディカルクリニックで不妊治療から卒業されたみちこさん / 永森咲希)
3)体験者同士のお話会
(ファシリテーター:戸田さやか先生/永森咲希)
はらメディカルクリニックで不妊治療を終わりにした“みちこさん”のお話は、皆さんにとってとても身近に感じられたようです。時間が経った今、何をどう感じていらっしゃるかをわかりやすくシンプルにお話しになりました。
【みちこさんのお話に対するご感想(アンケート内)】
・ 通院されていた方の声が聴けたのは勇気が持てました。
・ 終結を決めた後に今どういう想いなのか、率直に聞かせて頂いてよかったです。
・ 同じクリニックで治療を続けられた方の体験をうかがえてよかったです。
・ 時間が終結時の辛さを解決してくれることもあるのだということが参考になった。
私(永森)の講演タイトルは、「新しい日々のための最終章」。
治療中の思い、治療終結の過程、終結時の思い、支えになったこと、あきらめる時に必要なこと等々について、当事者と支援者、両方の立場からお話しさせていただきました。
【永森の講演に対するご感想(アンケート内)】
・ 終結を決断したとしても、子供を持ちたいと思ったことを封印しなくてよいのだということに、気持ちが楽になった。
・ 良かったです。本、読もうと思いました。不妊治療した後の人生について話を聞ける機会が全くないのでありのままの話を聞けて良かったです。年を重ねればまた違う状況で心がざわつく時がある。そんな気持ちを抱きかかえられるようになれたらと思いました。
・ 自分たちを大切に大事に生きていかないといけないなと思いました。
・ 同じようなつらい経験をされましたが、素敵な人生を歩まれているのでとてもはげみになりました。
お話し会は2つのグループに分かれての実施でしたが、それぞれ数組のご夫婦が参加されました。同じグループに入るご夫婦もあれば、別のグループに入るご夫婦もいらっしゃいます。同じグループに入れば、パートナーがどんな話をするのか直接聞くことができますし、別のグループに入る場合には、パートナーに聞かれず周囲に相談することができるという、どちらのケースも利点があります。
笑いあり、涙あり。皆さん初めて会ったとは思えないほど、率直に語り合っておられました。本音の時間はあっという間。お帰りになる時の皆さんの表情の変化に、今回も安堵。開催の意義を再確認しました。
【お話会及び全体についてのご感想(アンケート内)】
・ この会に参加出来て本当に良かったです。他の方の気持ちを生で聞けて本当に良かったです。
・ 気持ちの整理が少し出来ました。もっと回数を増やしてつらい想いをされている方の気持ちの開放の場となってほしいです。
・ グループを分けて少人数で話しやすかったです。もう少し話す時間が長くてもよいなと思いました。
・ とても良い会でした、他にないものだと思います。ありがとうございました。
・ 卒業した男性側の体験談も交ぜるとさらに良いかなと思います。女性側としては男性側がどういう想いかが不明な点があるため。
ファシリテーターがルールのもとに進行しますので、皆さまにはいつも安心してご参加いただいています。
永森咲希
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